休業要請と休業手当

4月7日に緊急事態宣言が発令されました。

さて、国、地方公共団体等により営業自粛要請が出された場合

自粛要請を受けた企業で働く人への休業手当は支払われるのでしょうか?

SNS上でも話題に上っているようなので

それについて説明します。


休業手当とは


まず、休業手当が支払われる条件ですが

労働基準法第26条に

会社に責任(都合)があり、労働者を休ませる場合には

平均賃金の6割以上の額を休業手当として支払うこととされています。

しかし、裏を返すと会社に責任が無いのであれば

労働者に休業手当を支払う必要はないということです。


ちなみに、会社の責任で時短勤務になった場合にも休業手当が支払われる場合があります。


例えば、平均賃金が8,000円の労働者の場合で説明すると

時短勤務を命じられて通常の半分の時間しか働けなくなり

賃金が4,000円/日となった場合には

平均賃金の6割=4,800円(休業手当)

この差額分(800円)が休業手当として支給されることになります。

つまり、完全に休業していなくても平均賃金の6割は保障されるということになります。


会社の責任とは


労働基準法第26条に記されている「会社の責任」というのは

責任+努力が求められ、一般的なものよりも広い意味があります。


A社から部品を仕入れ製造販売しているB社があったとします。

ある日、A社が倒産しました。

A社からの部品の仕入れができないため

B社は製造販売できず休業し、労働者にも休業を命じた。


こういった場合、B社に責任を問えるでしょうか?

A社が倒産したというのはA社の問題であり

B社の責任にはなりません。


しかし、A社からの部品調達が滞った場合の対応を

事前に考え備えておけば休業せずに済む可能性があります。

もし、事前に対策を考えていなかったとしても

新規に部品の調達先を見つけることも可能かもしれません。

あるいは、一時的に製造、販売部門の仕事がなくなったとしても

他の部署への配置転換や在宅ワークを検討してみたり

また、補助金(助成金)や融資などの活用も検討する必要があるでしょう。

こういった努力が企業の「責任」として問われ、

休業手当の支払いが必要かどうかが決まります。















SK社会保険労務士・行政書士事務所

横浜市港北区小机町で社会保険労務士,行政書士をしております。法人,個人事業主だけでなく個人のお客様のご相談も承っております。お気軽にご相談ください。