雇用保険


適用事業

労働者を1人でも雇用する企業のこと
ただし、個人経営(法人は除く)の農林水産業で労働者が5人未満の場合は除きます

 

被保険者

【一般被保険者】

週に20時間以上、31日以上継続して雇用される人

 

【高年齢被保険者】

65歳以上の被保険者
 

【2以上の事業所で雇用される被保険者】

主な収入のある事業所でのみ被保険者となります



保険料

毎年度、改正により保険料率が変更されます
平成31年度は
一般の事業では給与の3/1000
建設業、農林水産業、清酒製造業は給与の4/1000

 




 

求職者給付

一般被保険者が失業した場合、基本手当(失業手当)、傷病手当、技能取得手当、寄宿手当が支給されます。高年齢被保険者の場合は、高年齢求職者給付金が支給されます。

 

【受給要件等】

退職の日以前の2年間(算定対象期間)に12か月以上の被保険者期間*1があること

 

受給要件の例外
離職理由が会社都合によるもの*2であったり、出産、育児、介護、傷病、人員整理のため希望退職した等の場合は
1年間の算定対象期間に6か月以上被保険者期間があれば受給要件を満たします

 

 
受給要件の緩和
算定対象期間に傷病、出産、育児、事業所の休業、海外への転勤等で継続して30日以上賃金が支払われなかった場合は、その日数を算定対象期間に加算します

 

被保険者期間
退職日から1ヶ月ずつ遡って区切っていき、各期間ごとに11日以上の賃金支払基礎日数がある場合は1ヶ月の被保険者期間とします。
例)入社日4/1、離職日7/20の場合
  ①7/20~6/21
  ②6/20~5/21
  ③5/20~4/21
  ④4/20~4/1
 ①~③の期間は11日以上の賃金支払基礎日数があれば3ヶ月の被保険者期間
 となります。
 ④の期間のように1ヶ月に満たない期間(15日以上ある場合に限る)の場合
 賃金支払基礎日数が11日以上あれば0.5ヶ月の被保険者期間となります。

 

被保険者期間の通算
A社退職→B社就職→B社退職の場合において
B社の被保険者期間だけでは受給資格が得られない時は
B社の離職日から2年以内にA社での被保険者期間があれば合算することができます。
B社を離職した際の算定対象期間2年(1年)のうち②+③で被保険者期間12か月以上(6ヶ月以上)を満たすことができれば受給資格が得られます。
①は算定対象期間外なので含めることはできません。
*A社の退職後にハローワークに行き、受給資格決定を受けてしまうと基本手当を1円も受給していなくても通算ができなくなります




 【受給手続き】

離職後に必要書類を持ってハローワークに行き、求職の申込みをします。
必要書類
・離職票
・マイナンバーが確認できるもの
(マイナンバーカード、通知書、マイナンバーが記載された住民票の写し)
・本人確認書類(免許証、パスポートなど写真付きのもの)1点
*健康保険証、年金手帳、公共料金の領収書などでも代用が可能ですが2点必要になります。また、マイナンバーカードがあれば本人確認書類は不要です。
・写真(縦3.0cm,横2.5cm)2枚
・金融機関の通帳、キャッシュカード
・印鑑

 

受給手続きの流れ
①ハローワークで求職の申込みをすると受給資格決定がなされ、受給説明会の日程が知らされます
②説明会に参加すると雇用保険受給資格者証が貰え、初回の失業認定日が決定されます
③失業認定日までに原則2回の求職活動をする
④失業認定日に失業日の認定を受ける
⑤基本手当の受給(原則、指定口座に振込)
 
2回目以降は③~⑤の繰り返しです



 

【基本手当の日額】

1日あたりの基本手当の受給額は60歳未満の場合、賃金日額の50~80%
60歳以上~65歳未満の場合、賃金日額の45~80%になります

 

賃金日額
離職日から遡って6ヶ月分の被保険者期間の賃金総額を180で割った額が賃金日額になります
 
例)離職日から遡って賃金支払基礎日数が11日以上ある月を6ヶ月抽出します
①離職日~〇月✖日・・・賃金支払基礎日数18日
②********・・・9日
③********・・・10日
④********・・・16日
⑤********・・・18日
以下18日が続く
このような場合、②、③の期間は除いて
①+④+⑤+⑥+⑦+⑧の総賃金を180で割ることになります

 

賃金日額計算の例外
賃金が時間給、日給、出来高払い制の場合は、まず離職日から遡って6ヶ月分の被保険者期間の賃金総額を6か月間の労働日数で割り、その7割を計算します。
その金額と原則通りの賃金日額を比較して多い方が賃金日額となります。

 

最低・最高限度額
毎年8月1日に賃金日額の上限、下限額が改定されます
 
【上限額】
30歳未満・・・13,630円(6,815円)
30歳以上45歳未満・・・15,140円(7,570円)
45歳以上60歳未満・・・16,670円(8,335円)
60歳以上65歳未満・・・15,890円(7,150円)
*( )内は基本手当/日の額
 
【下限額】
年齢に関係なく2,500円(2,000円)

  

*1:賃金支払基礎日数(労働日、有給休暇取得日、休業手当を受けた日)が11日以上ある月
*2:①解雇 ②労働契約の内容と実際の労働条件が著しく異なる場合(就職から1年以内に退職した場合に限る) ③賃金の3分の1を超える額が2ヶ月連続、若しくは離職月以前の6か月間に3か月以上支払われていない場合 ④離職月以前の6か月間に時間外労働が100時間超の月が1月でもある、2か月以上連続で平均80時間超、3か月以上連続で45時間超の場合 ⑤労働契約の更新によって3年以上引き続き雇用されるに至った場合において契約更新がなされなかった場合 ⑥契約更新がある旨が明示されていたにも関わらず契約更新されなかった場合 ⑦事業所の移転により通勤が困難になった場合 ⑧使用者責任による休業が3ヶ月以上となったため退職した場合 etc.


SK社会保険労務士・行政書士事務所

横浜市港北区小机町で社会保険労務士,行政書士をしております。法人,個人事業主だけでなく個人のお客様のご相談も承っております。お気軽にご相談ください。