社会保険の扶養

扶養の範囲内で働きたい。
そんな主婦の方に
社会保険の扶養のルールについてお話しします。

 扶養には2つの意味がある

扶養という制度には
税金と社会保険で別々のルールが定められています。
103、150という数字は税金のお話です
対して、社会保険の場合は
106、130という数字がでてきます。

 扶養に入るための収入条件


原則

年収が130万円未満(180万円未満)
被保険者の年収の2分の1未満
*60歳以上の人や障害者は180万円未満になります。
 
同居していない人の場合は①に加えて
被保険者からの援助額より収入が少ないことが求められます。
 

例外

②の条件が満たせない場合
被保険者の年収を上回らず被保険者の収入が
世帯の生計維持の中心的役割を果たしている場合は
扶養が認められます。
*加入している健康保険組合によって
 例外の例外もあります。 
 世帯の生計維持の中心的役割を果たしている場合は
 夫婦で収入が少ない方の扶養に入ることが認められることもあります。

 

年収を算定する期間

年収130万円というのは、いつからの年収なのか。
ここを勘違いしているケースが多いです。
 
原則を言えば 
1~12月の年収
4~翌3月の年収
いずれも間違いです。
 
正解は扶養に入る時点以降の1年間です。
将来の見込み年収という考え方になります。
 
向こう1年間の収入の判断方法についてですが
健康保険組合によって取り扱いが異なります。
 
例えば、
パートで働いている方は
その契約内容(労働日数、労働時間、時給など)から
 月に108,333円を超えないかどうかで判断。
 (108,333円は年収130万を12で割った金額)
・過去の1~3ヶ月分の収入から判断。
 
無職の方は
・無職であることの証明書(離職票や所得証明書など)の提出。
 
 等々、保険組合によって様々な判断基準があるので
 注意して下さい。
 
これは、扶養を抜けてしまう条件にも言えることで
・3ヶ月間連続で108,333円を超えたらNG
・1ヶ月だけでも超えたらNG
・金額はオーバーしているけど雇用契約で考えて
 本来は超えないはずだったからOKというケースもあります。
 
扶養を抜けることになると
国民健康保険+国民年金の保険料がかかりますので
ぜひ、事前に健康保険組合へ
扶養から外れてしまう条件を確認しておくことをお勧めいたします。

 被扶養者の範囲

扶養に入る側の人を被扶養者といいます。
社会保険では、3親等内の親族が被扶養者になれます。
 
下図の親族は生計維持だけで同一世帯かどうかは問われません。
 
 
上図以外の親族は生計同一と同一世帯の両方が求められます。
 
*社会保険では事実婚であっても扶養が認められますが
 その認定には住民票や戸籍謄本、抄本、申立書などから総合的に判断されます。

 追記

ちょっと書き漏らしたことをここに。
 
130万円の収入には通勤手当も含まれるので
時給✖労働時間で計算してギリギリまで働こうと考えると
収入オーバーが起こり得ます。
 
 
社会保険の加入条件が緩和されて
・被保険者が501人以上の企業
・1年以上の雇用が見込まれる労働者
・月額88,000円以上の収入
・学生ではない
 
以上を満たすと社会保険に加入=扶養から外れることになります。
ちょっと気を付けたいのは
被保険者が501人以上の企業の捉え方です。
これは自分が勤めている店舗の人数ではありません。
東京支店、名古屋支店、大阪支店など
全国展開している法人は、
その全てひっくるめて被保険者が501人かどうかです。
 
また、500人以下であっても労使間で同意がなされていると
加入することになる場合もあります。
 
小さい店だから大丈夫と思いきや・・・
なんてことにならないように
会社にしっかり確認しておきましょう!


SK社会保険労務士・行政書士事務所

横浜市港北区小机町で社会保険労務士,行政書士をしております。法人,個人事業主だけでなく個人のお客様のご相談も承っております。お気軽にご相談ください。